Difyコミュニティエディション(ローカル版)を運用していると、「起動しない」「アップデートでエラーが出た」「処理がタイムアウトする」といったトラブルに遭遇することがあります。
この記事では、Difyの日常的な運用操作(停止・再起動・更新)から、よくあるトラブルの具体的な解決手順までを体系的に解説します。
日常の運用操作:Dockerコマンド集
Difyの運用は基本的にDocker Composeコマンドで行います。まずは基本操作を押さえましょう。
基本操作:停止と再起動
設定変更後や調子が悪い時は、まず再起動を試すのが基本です。
# 停止 docker compose down
バックグラウンドで起動(再起動)
docker compose up -d
特定のコンテナ(例:api)だけ再起動
docker compose restart api
完全リセット(データ削除)
検証環境などを初期化したい場合にのみ使用してください。
docker-compose down --rmi all --volumes --remove-orphans
別名、《滅びの呪文》と言うそうです(汗)
《滅びの呪文》Docker Composeで作ったコンテナ、イメージ、ボリューム、ネットワークを一括完全消去する便利コマンド
| オプション | 意味 |
|---|---|
down | upコマンドと真逆のことをするコマンドということになる。つまり、upコマンドで作られうるもの(イメージ、コンテナ、ボリューム、ネットワーク)をすべて削除する。 |
--rmi | 削除するイメージの種類を指定する。allはすべてのイメージ。localはフィールドにカスタムタグのないイメージのみを削除する。--rmiオプションを省略すると、イメージは消されない。 |
--volumes | docker-compose.ymlのvolumesセクションに書かれた名前付きボリュームとコンテナにアタッチされたanonymous volumeが削除される。 |
--remove-orphans | docker-compose.ymlで定義から削除されたサービス用の未定義コンテナも削除される。 |
これら3つのオプションをつけないと、削除されるのはコンテナとネットワークだけとなる
トラブルシューティング:よくあるエラーと対処法
Case 1: アップデート時に「git pull」でエラーが出る
git pull origin main を実行した際に、以下のようなエラーが出ることがあります。
error: Your local changes to the following files would be overwritten by merge: docker/docker-compose.yaml Please commit your changes or stash them before you merge.
原因: ローカルで設定ファイル(docker-compose.yamlなど)を書き換えているため、更新ファイルと競合しています。
対処法: 変更を一時的に退避(stash)させてから更新します。
# 1. 変更を退避 git stash
2. 更新を実行
git pull origin main
3. 退避した変更を戻す(設定を復元)
git stash pop
※git stash pop 時にコンフリクト(競合)が発生した場合は、ファイルを開いて<<<<<<< 等のマーカーを確認し、手動で正しい設定に修正してください。
Case 2: 起動したのにブラウザで「404 Not Found」になる
Dockerコンテナは起動しているのに、http://localhost/install にアクセスすると404エラーになる場合。
原因: Windows等のホスト側でポート80番が既に使用されている可能性があります(SkypeやIISなど)。
対処法: .env ファイルでNginxのポートを変更します。
dify/docker/.envを開くEXPOSE_NGINX_PORT=80を探す- 空いているポート(例:8888)に変更する
EXPOSE_NGINX_PORT=8888 - コンテナを再起動:
docker compose down && docker compose up -d - ブラウザで
http://localhost:8888/installにアクセス
Case 3: ワークフロー実行中にタイムアウトエラーになる
処理の長いワークフローを実行すると、途中で止まって以下のエラーが表示される場合。
Results are not displayed due to timeout.
原因: デフォルトのタイムアウト設定が短いため、生成AIの回答待ち時間などで制限を超えてしまっています。
対処法: .env ファイルにタイムアウト延長の設定を追記します。
dify/docker/.envを開く- ファイルの末尾に以下を追記(または既存項目を修正)
# タイムアウト時間を延長(例:5分~10分)
TEXT_GENERATION_TIMEOUT_MS=300000
WORKFLOW_MAX_EXECUTION_TIME=600000
APP_MAX_EXECUTION_TIME=600000
GUNICORN_TIMEOUT=720
NGINX_PROXY_READ_TIMEOUT=3600s
NGINX_PROXY_SEND_TIMEOUT=3600s
3. コンテナを再起動して設定を反映させます。
まとめ
Difyコミュニティ版は自由度が高い反面、トラブル時は自分でログを見て解決する必要があります。
困ったときは、まずはdocker compose logs でログを確認し、本記事の対処法を試してみてください。
してみる
純ですが、私は原因の特定にハマってしまい時間がかかってしまったので、同じ症状の方の助けになればと思います。
Difyのワークフローでエラーが生じるときの解消法
起きた現象
EC2サーバー上にセルフホスティングしたDifyにおいて以下のようなエラーが生じる。
Results are not displayed due to timeout.
Please refer to the logs to gather complete results.
解決策
.envの内容を編集すると可能。
どうやらサーバー内の設定でワークフローの実行時間が長くなるとタイムアウトエラーになってしまうらしい。
やることは 3 つだけ
Dify でワークフローの実行中にタイムアウトが発生してしまう場合、以下の 3 つの手順を行うだけで解決できる可能性が高い。
1. .env ファイルを開く
まず、.env ファイルを開く必要がある。以下のコマンドを実行する。
cd ~/dify/docker # docker compose を実行するディレクトリへ移動
nano .env # 環境変数ファイルを編集
このとき、画面上部に ~/dify/docker/.env と表示されていれば、正しいファイルを開けていることが確認できる。
なお、.envファイルが見つけられない場合には以下を実行してみる
# 1) 隠しファイルを含めて一覧
ls -a ~/dify/docker | grep -E '^\.env
2. タイムアウト関連の設定を追記する
.env ファイルの一番下に、以下の設定をコピー&ペーストする。そして、保存する。
# --- Dify ワークフロー長時間実行対策 ---
TEXT_GENERATION_TIMEOUT_MS=300000 # 5 分
WORKFLOW_MAX_EXECUTION_TIME=600000 # 10 分
APP_MAX_EXECUTION_TIME=600000 # 10 分
GUNICORN_TIMEOUT=720 # 12 分
NGINX_PROXY_READ_TIMEOUT=3600s
NGINX_PROXY_SEND_TIMEOUT=3600s
NGINX_KEEPALIVE_TIMEOUT=3600s
すでに同じような項目が存在する場合は、上書きすること。また、重複して記載しないよう注意が必要である。
3. Docker コンテナを再起動する
設定を反映させるためには、Docker コンテナを再起動する必要がある。以下のコマンドを使用する。
docker compose down && docker compose up -d
その後、次のコマンドで全てのサービスが正常に起動しているかを確認する。
docker compose ps
各サービスのステータスが healthy と表示されていれば、再起動は正常に完了している。
補足
.envが複数あった場合でも、Compose を叩いたディレクトリ直下の.envが最優先 です。- ほかの階層に
.envがあって紛らわしい場合は、リネームするか削除して一本化するとトラブルを防げます。
終わりに
これで Dify が動く状態までたどり着けました。
次回は初期設定を行い、アプリ作成が可能な状態にしていきます。
どの LLM を利用するのか迷っていますが、コスト面を考えて 最初は Gemini にするかもしれません。(応答も早いので、ストレスも少なそうです)
# 2) 見つからなければ env_file 指定を探す grep -nR –max-depth=1 -E ‘env_file’ ~/dify/docker/docker-compose*.yml
2. タイムアウト関連の設定を追記する
.env ファイルの一番下に、以下の設定をコピー&ペーストする。そして、保存する。
すでに同じような項目が存在する場合は、上書きすること。また、重複して記載しないよう注意が必要である。
3. Docker コンテナを再起動する
設定を反映させるためには、Docker コンテナを再起動する必要がある。以下のコマンドを使用する。
その後、次のコマンドで全てのサービスが正常に起動しているかを確認する。
各サービスのステータスが healthy と表示されていれば、再起動は正常に完了している。
補足
.envが複数あった場合でも、Compose を叩いたディレクトリ直下の.envが最優先 です。- ほかの階層に
.envがあって紛らわしい場合は、リネームするか削除して一本化するとトラブルを防げます。
終わりに
これで Dify が動く状態までたどり着けました。
次回は初期設定を行い、アプリ作成が可能な状態にしていきます。
どの LLM を利用するのか迷っていますが、コスト面を考えて 最初は Gemini にするかもしれません。(応答も早いので、ストレスも少なそうです)
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