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Difyの高度な機能:JSON出力とメモリ設定を完全マスター

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Dify(ディファイ)で基本的なチャットボットを作成したら、次はさらに一歩進んだ「高度な機能」を使いこなして、アプリの品質と安定性を向上させましょう。

この記事では、AIの回答精度を高める「会話の記憶(メモリ)」設定や、システム連携に不可欠な「構造化出力(JSONスキーマ)」の使い方、さらにエラー発生時の自動リカバリー機能など、プロフェッショナルな開発に役立つノウハウを詳しく解説します。

目次

会話の文脈を理解させる「記憶(Memory)」設定

チャットボットが直前の会話内容を忘れてしまうと、ユーザー体験は大きく損なわれます。Difyでは「記憶」機能をオンにすることで、過去のやり取りを踏まえた自然な対話が可能になります。

  • 記憶のオン/オフ: オンにすると、LLM(大規模言語モデル)への入力に過去の対話履歴が含まれるようになります。
  • 記憶ウィンドウ(Memory Window): 過去の会話を「何ターン分」記憶させるかを制御します。閉じている場合はモデルのトークン制限に合わせて自動調整されますが、開くことで正確な会話数(例:過去10回分など)を指定できます。

対話役割名のカスタマイズ

使用するAIモデルによって、推奨される役割名の形式(例: Human/Assistant, User/AI)が異なる場合があります。Difyではこの役割名を自由に設定できるため、特定のモデルに最適化されたプロンプト構成が可能です。

データ処理を柔軟にする「Jinja2テンプレート」

プロンプト内で変数を扱う際、単なる置換だけでなく、簡単なロジックやデータ変換を行いたい場合があります。DifyはPythonのテンプレートエンジンである「Jinja2」をサポートしており、プロンプトエディタ内で条件分岐やループ処理などの軽量なデータ加工を実現できます。

システムの安定性を高める「エラー処理と再試行」

外部APIの呼び出しやLLMの応答待ちなどでエラーが発生した場合、すぐに処理を停止するのではなく、自動的にリトライさせることでシステムの堅牢性を高めることができます。

  • 失敗後の再試行(Retry): エラー発生時に、指定回数だけ自動的に再実行します。最大10回、間隔は最長5秒まで設定可能です。
  • エラーハンドリング: 特定のノードでエラーが起きた場合に、デフォルト値を返したり、別の処理フロー(バックアップ経路)へ分岐させたりする設定が可能です。

AIの出力を制御する「構造化出力(JSONスキーマ)」

エラー処理:異なるエラー対応戦略を提供し、現在のノードが失敗してもメインプロセスを止めずにエラー通知を行うか、バックアップ経路を使ってタスクを継続できるようにします。詳細は、エラー処理をご覧ください。構造化された出力: LLM が返すデータ形式の可用性、安定性、予測可能性を高め、エラー処理や形式変換の手間を削減します。

「AIの回答をシステムで自動処理したい」「必ず決まったフォーマットでデータが欲しい」という場合に必須となるのが、構造化出力機能です。

LLMノードの設定で「JSONスキーマ」を定義することで、AIの出力形式をJSONデータとして固定し、後続のプログラムで扱いやすくすることができます。

JSONスキーマエディタの使い方

LLMノードの出力設定から「構造化スイッチ」をオンにするとエディタが起動します。編集モードは2種類あり、用途に応じて使い分けることができます。

モード特徴おすすめの用途
ビジュアル編集ノーコードで直感的にフィールドを追加・編集単純なデータ構造、JSON構文に不慣れな場合
コード編集JSONスキーマを直接記述複雑なネスト構造、正規表現の使用、既存スキーマの流用

ビジュアル編集での設定手順

JSONスキーマエディタの開き方LLMノードの出力変数をクリックし、構造化スイッチの設定を開くと、JSONスキーマエディタが表示されます。JSONスキーマエディタはビジュアル編集ウィンドウとコード編集ウィンドウを備え、シームレスに切り替えられます。

ビジュアル編集使用シーン

「フィールドを追加」ボタンを押し、必要な項目を設定していきます。

  1. フィールド名: データのキーとなる名前(例: username, age)
  2. データタイプ: String(文字列)、Number(数値)、Array(配列)などを選択
  3. 説明(Description): AIへの指示として機能します。「ユーザーのフルネーム」のように具体的に書くことで精度が向上します。
  4. 必須(Required): チェックを入れると、AIはこの項目を必ず出力するようになります。

コードエディタ使用シーン

  • 複雑なデータ構造で、ネストされたオブジェクトや配列をサポートする必要がある場合(例:注文詳細、商品一覧など)。
  • 既存のJSONスキーマ(または API レスポンス例)を直接貼り付けて手動で調整したい場合。
  • pattern(正規表現)や oneOf(複数タイプ)などの高度なスキーマ機能を使用したい場合。
  • LLMで作成したスキーマを元に、フィールドのタイプや構造をビジネスニーズに合わせて変更したい場合。

Visual Editorフィールドの追加構造化出力枠内でフィールドを追加ボタンをクリックし、フィールドのパラメータを設定します。

列挙型: フィールド値の選択範囲を制限するために使用します。モデルは、あらかじめ設定された列挙値のみを返します。たとえば、redgreenblue のみを許可する場合は、次のようになります。

{
  "type": "string",
  "enum": ["red", "green", "blue"]
}

このルールでは、入力値は redgreenblue のいずれかでなければなりません。

JSONデータのインポート

  1. 「JSONをインポート」ボタンをクリックし、表示されるダイアログボックスにJSONデータを貼り付けるか、アップロードします。例(JSONデータ):
{
 "comment": "This is great!",
 "rating": 5
}
  1. 「送信」ボタンをクリックすると、システムがJSONデータを自動的に解析し、JSONスキーマに変換します。

AIによるスキーマ自動生成

スキーマの定義自体をAIに任せることも可能です。「AI生成」アイコンをクリックし、「ユーザー名と年齢、趣味のリストを含むJSONを作って」と指示するだけで、適切なJSONスキーマを自動生成してくれます。

  1. 「AI生成」アイコンをクリックし、モデル(GPT-4など)を選択します。入力ボックスにJSONスキーマの説明を入力します。例:

「ユーザー名、年齢、および趣味を含むJSONスキーマが必要です。」

  1. 「生成」をクリックすると、システムが自動的にJSONスキーマを生成します。
{
  "type": "object",
  "properties": {
    "username": {
      "type": "string"
    },
    "age": {
      "type": "number"
    },
    "interests": {
      "type": "array",
      "items": {
        "type": "string"
      }
    }
  },
  "required": [
    "username",
    "age",
    "interests"
  ]
}

まとめ

これらの高度な機能を組み合わせることで、Difyでのアプリ開発は単なる「チャットボット作り」から、実業務で使える「堅牢なシステム開発」へと進化します。ぜひ活用してみてください。

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