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Difyで医療相談チャットボットを作成!プロンプト設計術

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目次

はじめに:ノーコードで医療DXを加速させる

「患者さんからの一次対応を自動化したい」
「問診の質を均一化したい」

医療現場やヘルスケアビジネスにおいて、こうしたニーズは高まっています。

今回は、ノーコードAI開発プラットフォーム「Dify」を使って、プログラミング知識なしで「医療相談チャットボット」を作成する方法を解説します。特に、医療分野で重要となる「信頼性」と「緊急対応」を考慮したプロンプト設計のコツを中心にご紹介します。

Difyとは?なぜ医療Botに向いているのか

Difyは、生成AIを活用したアプリケーションを直感的な操作で作れるツールです。無料プランでも十分に高機能なチャットボットが作成できます。

医療分野での利用において、Difyには以下のメリットがあります。

  • 柔軟なフロー制御: 「発熱がある場合」「頭痛がある場合」といった条件分岐を簡単に設定できる。
  • ナレッジベース連携: 医療ガイドラインやクリニックのQ&Aを学習させ、正確な情報に基づいた回答が可能。
  • 即時修正が可能: プロンプト(指示文)を修正するだけで、ボットの振る舞いをすぐに改善できる。

作成ステップ:医療相談チャットボット

STEP 1:アプリの新規作成

Difyのダッシュボードから「アプリを作成する」→「最初から作成」を選び、アプリ名(例:医療相談Bot)を入力してスタートします。

STEP 2:プロンプト設計(ここが重要!)

医療相談ボットの品質は、AIへの指示書である「プロンプト」で決まります。以下の5つのポイントを盛り込みましょう。

1. 役割の明確化と問診フロー

AIに対して「あなたは親切な医療アシスタントです」と役割を与え、問診の手順を具体的に指示します。

あなたは医療相談アシスタントです。以下の手順でユーザーから症状を聞き出してください。

挨拶をし、主訴(一番困っている症状)を尋ねる。

症状に応じて、以下の詳細を確認する質問をする。

いつからか?

痛みの程度は?(1〜10段階)

他の症状はあるか?
プロンプトの詳細は以下の様に考えます。

1. 具体的で柔軟な質問を設定する

ユーザーが「頭痛」や「咳」などと入力した際に、適切な追加質問ができるような設定をすることが重要です。以下はその具体例です。

こんにちは!症状について教えてください。以下の中から選んでください。

- 頭痛
- 発熱
- 咳
- 喉の痛み
- 腹痛

たとえば、ユーザーが「頭痛」を選んだ場合、次にボットが具体的な質問をするよう設定します。

「頭痛の場所はどこですか?片側、全体、後頭部などを教えてください。」
「痛みの強さを1から10の間で評価してください。例えば、1が軽い痛みで、10がとても強い痛みです。」
「頭痛はいつから続いていますか?今日、数日、1週間以上など。」
2. 応答の順番や条件分岐を工夫する

ユーザーが異なる症状を報告した場合、それに応じてプロンプトが異なる質問を投げかけるように設計します。たとえば、「咳」を報告した場合には、以下のようなプロンプトを準備します。

「咳はどのくらい続いていますか?数日間、1週間以上、1ヶ月以上など。」
「咳は乾いた咳ですか?それとも痰が絡んだ咳ですか?」
「発熱や喉の痛みを伴っていますか?」

このように、状況に応じて異なる質問をすることで、より正確な情報を得ることができます。Difyのノーコードツールでは、このような条件分岐を使ってユーザー体験を向上させることができます。

3. 緊急性を考慮した対応

プロンプトには、緊急性が高い症状が報告された場合に、迅速に適切な対応を促す設定も重要です。例えば、以下のように緊急対応を促すプロンプトを設定します。

「強い胸痛や呼吸困難、意識障害などの症状がある場合、すぐに救急車を呼び、最寄りの病院へ連絡してください。」
「もしこれらの症状が現れた場合、チャットではなく医療機関へ直接ご相談ください。」

このようなプロンプトにより、ユーザーが重大な症状を抱えている場合でも適切な行動を取るよう促すことができます。


4. 分かりやすい言葉で質問を設定する

医療問診ボットでは、難しい医療用語は避け、ユーザーがすぐに理解できる言葉を使うことが大切です。例えば、「痰」ではなく「たん」など、ユーザーが普段使う言葉で説明することで、チャットボットが親しみやすく、使いやすいものになります。

5. 適切な医療機関の案内を行う

ボットが症状に基づいてユーザーに近くの医療機関を案内する機能を追加するのも効果的です。以下のプロンプトは、位置情報を使った最寄りの医療機関案内に応用できます。

「症状から判断すると、内科への受診が適切です。最寄りの医療機関はこちらです:[住所や病院名]。」

Difyのプラットフォームでは、こうしたカスタマイズを簡単に追加できます。

2. 緊急性の判定とアラート

命に関わる症状が含まれていた場合、即座に専門機関への受診を促すルールを設定します。これはリスク管理上、必須の設定です。

【緊急対応ルール】 ユーザーの発言に以下のキーワードが含まれる場合、直ちに救急車を呼ぶか、最寄りの救急病院へ行くよう強く警告してください。 キーワード:激しい胸痛、呼吸困難、意識障害、ろれつが回らない、突然の激しい頭痛

3. 専門用語の平易化

「喀痰(かくたん)」を「たん」、「浮腫(ふしゅ)」を「むくみ」と言い換えるよう指示し、患者さんが理解しやすい言葉遣いを徹底させます。

STEP 3:テストと調整

右側のプレビュー画面で実際に会話をしてみましょう。

「頭が痛い」と入力した際に、「いつからですか?」「ズキズキしますか?」と適切な深掘り質問が返ってくるか確認します。

また、「胸が苦しくて息ができない」といった緊急ワードを入力し、警告メッセージが正しく表示されるかも必ずテストしてください。

公開と運用

完成したら「公開する」ボタンを押し、URLを発行します。

このURLをWebサイトに埋め込んだり、QRコードにして院内に掲示したりすることで、患者さんが待ち時間に問診を済ませるなどの活用が可能になります。

まとめ:AIで医療現場の負担を軽減する

Difyを使えば、専門的な知識が必要な医療相談ボットも、プロンプトを工夫するだけでここまで作り込むことができます。

もちろん、最終的な診断は医師が行う必要がありますが、事前の聞き取りや緊急度のスクリーニングをAIが担うことで、医療従事者の負担軽減と患者満足度の向上を両立できるでしょう。ぜひ挑戦してみてください。

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