「AIに質問するだけでなく、調査からレポート作成まで全部任せたい」
「複数のツールを勝手に使いこなしてくれる優秀なAIアシスタントが欲しい」
そんな起業家の願いを叶えるのが、Difyの「エージェント(Agent)」機能です。
チャットボットが「質問に答えるAI」だとすれば、エージェントは「自ら考え、道具を使って仕事をこなすAI」です。
この記事では、Difyのエージェント機能の仕組みと、それを使って複雑な業務を完全自動化する方法を解説します。
エージェントとは?チャットボットとの違い
エージェント(AIアシスタント)は、大規模言語モデル(LLM)の推論能力を活用し、人間の介入なしで以下のプロセスを自律的に行います。
- 目標設定:ユーザーの指示(ゴール)を理解する。
- タスク分解:ゴール達成に必要な手順を考える。
- ツール実行:Google検索や計算機、APIなどの「道具」を選んで使う。
- 結果の統合:得られた情報をまとめて回答する。
例えば、「競合他社の最新ニュースを調べて要約して」と頼むだけで、勝手にWeb検索を行い、記事を読み込み、要約文を作成してくれます。
Difyでのエージェント作成手順
STEP 1:アプリの作成
Difyのホーム画面で「最初から作成」をクリックし、アプリタイプとして「エージェント」を選択します。
既存のテンプレートから「旅行プラン作成」や「財務分析」などを選んでカスタマイズすることも可能です。

STEP 2:モデルとプロンプトの設定
エージェントの性能は、使用するLLMの「推論能力」に大きく依存します。
複雑なタスクを任せる場合は、GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetなどの高性能モデルを選択することを強く推奨します。

プロンプト(指示)には、タスクの目標や制約条件を明確に記述します。
「あなたは優秀なリサーチアシスタントです。Web検索ツールを使って情報を収集し、論理的にまとめてください」
といった具合です。

STEP 3:ツール(Tools)の追加 ※最重要
エージェントに「武器」を持たせる工程です。
「ツール」セクションから、エージェントに使わせたい機能を追加します。
- Web検索(Google Searchなど):最新情報を取得させる。
- 計算機:正確な数値計算を行わせる。
- 画像生成(DALL-E 3など):画像を作らせる。
- カスタムAPI:自社のデータベースやSlackなどと連携させる。

ツールを追加するだけで、エージェントは「この質問に答えるには検索が必要だ」と判断したときに、自動でGoogle検索を実行するようになります。
STEP 4:推論モードの設定(Function Calling vs ReAct)
エージェントの思考回路を設定します。
- Function Calling(関数呼び出し):GPT-4など対応モデル向け。安定して高速に動作します。基本はこちらがおすすめ。
- ReAct:非対応モデル向け。思考プロセス(Thought→Action→Observation)を繰り返して答えを導き出します。

STEP 5:テストと公開
設定が完了したら、プレビュー画面でテストを行います。
エージェントが「検索しています…」「計算しています…」といった思考プロセス(ログ)を表示しながら回答を作成する様子が確認できます。

まとめ:エージェントで「仕事そのもの」を自動化しよう
Difyのエージェント機能を使えば、単なるQ&Aボットを超えて、実際に手を動かして仕事をしてくれる「AI社員」を作成できます。
まずは「Google検索」ツールを持たせたリサーチエージェントから作成し、その自律的な動きを体感してみてください。
業務自動化の新たな可能性が見えてくるはずです。
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