AIワークフローツールのDifyが、ついにMCP(Model Context Protocol)をネイティブサポートしました。
これまでもAPIを使った外部連携は可能でしたが、今回のアップデートにより、外部データやツール、カレンダー、コードベースなどへのアクセスが劇的に簡単になりました。
MCPとは、「AIアプリケーションのUSB-C」とも呼ばれる、Anthropic社が提唱した新しい標準規格です。
この記事では、DifyでのMCPツールの導入方法から、自作ワークフローをMCPサーバーとして公開する手順までを実践的に解説します。
DifyのMCP対応でできる3つのこと
今回のアップデートにより、主に以下の3つの活用が可能になりました。
- MCPサーバーをツールとして追加:Zapierなどの外部MCPサーバーをDifyのツールとして登録できます。
- エージェントによる自動呼び出し:AIエージェントが必要に応じてMCPツールを自律的に使用します。
- Dify自体をMCPサーバー化:Difyで作ったワークフローを、Claude Desktopなどの外部AIから呼び出せるようになります。
実践:MCPツールをDifyに追加する手順
例として、Zapier MCPをDifyに追加し、Slackへのメッセージ送信機能を実装してみましょう。
ステップ1:MCPサーバーの登録
Difyの管理画面から「ツール」→「MCPで追加」を選択します。
- サーバーURL:ZapierのMCP設定ページから取得したURLを入力。
- 名前:管理しやすい名前(例:Zapier MCP)を入力。
- 識別子:システム内でのIDを設定。
ステップ2:エージェントでの活用
ツールを追加したら、AIエージェントに組み込みます。
例えば、「天気情報を調べてSlackに通知する」エージェントを作成する場合:
- ツール1: Tavily(天気情報の検索用)
- ツール2: Zapier MCP(Slackへのメッセージ送信機能)
プロンプトで「今日の天気を調べてSlackに送って」と指示するだけで、エージェントが自律的にツールを使い分けてタスクを完了させます。
革新的機能:Difyワークフローを外部公開する
Difyで作った高度なワークフローを、MCPサーバーとして外部に公開できる機能も実装されました。
これにより、Claude DesktopなどのMCP対応クライアントから、あなたが作ったDifyアプリを直接呼び出せるようになります。
設定時の注意点
現状(リリース直後)では、以下の点に注意が必要です。
- 名称と説明は英語で記述する: 日本語が含まれていると、外部クライアントからの呼び出し時にエラーが発生することがあります。
- プラグインのバージョン: 一部のプラグイン(Agent Strategyなど)は、最新版にアップデートしないとMCPに対応していない場合があります。
まとめ:AI連携の未来が変わる
DifyのMCP対応は、単なる機能追加にとどまらず、AIツール同士が共通言語でつながるエコシステムへの第一歩です。
まだベータ版的な挙動も見られますが、Zapier連携などの基本機能はすでに実用的です。
ぜひDify×MCPの可能性を、あなたのビジネスシステムに取り入れてみてください。


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