海外の技術記事やニュースを翻訳する際、AIを使っても「意味は通じるが、どこか不自然」「専門用語が適切でない」と感じることはありませんか?
Difyの「Text Polishing · Translation Tool(テキスト研磨・翻訳ツール)」は、単なる翻訳ツールではありません。
3人の専門家AIによる「多角的なレビュー(査読)」プロセスを導入し、原文のニュアンスを損なうことなく、流暢で自然な日本語(または指定言語)へと磨き上げる高度なワークフローです。
この記事では、ソフトウェア開発の「コードレビュー」に着想を得た、この高品質な翻訳システムの内部構造と構築手順を解説します。
テンプレートの概要:ぎこちない翻訳にサヨナラを
このワークフローは、「予備翻訳」→「3つの視点からのレビュー」→「総合的な改善」→「最終仕上げ」という4段階のプロセスを経て、テキストを生成します。
単一のAIが一発で翻訳するのではなく、言語の専門家、内容の専門家、スタイルの専門家という役割を持った複数のAIが寄ってたかって修正案を出し合うことで、人間が推敲したようなクオリティを実現します。
特に技術記事やビジネス文書など、正確性と読みやすさが求められるコンテンツに最適です。
Difyで構築する機能概要
本テンプレートでは、以下のロジックで翻訳・研磨を実行します。
- Webスクレイピング:URLから記事本文を抽出し、広告などのノイズを除去します。
- 予備翻訳(下書き):まずは基本的な意味を捉えた初稿を作成します。
- 並行レビュー(査読):3つのAIが「流暢さ」「正確性」「スタイル」の観点から同時にダメ出し(レビュー)を行います。
- 統合と改善:レビュー結果を元に、別のAIが原稿を書き直します。
- 最終仕上げ:全体のトーンを整え、完成稿を出力します。

【重要】最適化モデルのワークフロー詳細(ノード表)
このテンプレートは、Gemini 2.0 FlashやGPT-4oなど、各タスクに最適なモデルを使い分けることで、速度と品質を両立させています。
以下は、実際に動作する完成版モデルの全ノード構成と設定内容です。
| アイテム名(ノード名) | 処理内容・設定詳細 | |
|---|---|---|
| 開始 (Start) | ワークフローの開始 翻訳したい記事の「URL」を入力として受け付けます。 | |
| 単一ページのスクレイピング (FireCrawl) | Webコンテンツの取得(使用ツール:FireCrawl) 指定されたURLをクロールし、ナビゲーションバーや広告を除去した「本文のみ」をMarkdown形式で抽出します。 | |
| 予備的な書き直し (LLM) | 初稿の作成(使用AI:Google Gemini 2.0 Flash) 抽出された英文を、まずは日本語の文法として破綻のないレベルで翻訳(書き直し)します。 この段階では「直訳調」でも構いません。 | |
| (並行レビューブロック) | 以下の3つのレビューが同時に実行されます。 | |
| ∟ 言語の流暢さと信憑性のレビュー (LLM) | 言語チェック(使用AI:GPT-4o) 日本語として不自然な表現、誤字脱字、「翻訳調」特有の言い回しを指摘します。 役割:校閲者 | |
| ∟ コンテンツの正確性と論理的一貫性のレビュー (LLM) | 内容チェック(使用AI:Gemini 2.5 Flash) 原文と比較して情報の欠落や誤訳がないか、論理が通っているかを評価します。 役割:技術査読者 | |
| ∟ スタイルの一貫性とターゲットオーディエンスの適切性のレビュー (LLM) | スタイルチェック(使用AI:Gemini 2.0 Flash Exp) 読者層(技術者、一般人など)に適したトーンであるか、用語の統一性を評価します。 役割:編集者 | |
| 総合的な改善 (LLM) | リライトの実行(使用AI:Gemini 2.0 Flash Exp) 「原文」「初稿」そして「3名のレビュアーからの指摘」をすべて統合し、指摘事項を反映させた「改善版」の文章を作成します。 | |
| 最終仕上げ (LLM) | ポリッシング(使用AI:Gemini 2.0 Flash Exp) 改善された文章を最終確認し、細部の微調整やフォーマットの整えを行い、読み物として完成させます。 | |
| 回答 (Answer) | 最終出力 翻訳・研磨されたMarkdown形式の記事をユーザーに表示します。 | |
DifyでText Polishing Toolを構築・有効化する手順
以下の手順で、この高品質な翻訳環境を自身のワークスペースに導入できます。
- Difyダッシュボードの「探索」からテンプレートを選択し、ワークスペースに追加します。
- ツールの設定:Webスクレイピングに使う「FireCrawl」のAPIキーを取得し、Difyのツール設定に追加します。
- モデルの設定:各ノードにGeminiやGPT-4oが正しく割り当てられているか確認し、APIキーを設定します。
- 動作確認:プレビューで海外の技術ブログのURLを入力し、翻訳結果が自然な日本語になっているか確認します。
このテンプレートを活用するメリット
「翻訳」ではなく「再構築」を行うことで、以下のメリットが得られます。
- 圧倒的な自然さ:直訳調が消え、最初から日本語で書かれたような流暢な文章になります。
- 専門用語の正確性:内容レビューを経るため、技術用語の誤訳やニュアンスの違いが修正されます。
- 一貫したトーン:スタイルレビューにより、「だ・である調」や「です・ます調」の揺らぎがなくなります。
まとめ
Text Polishing · Translation Toolは、AIの強みである「並列処理」と「多角的視点」を活かした、次世代の翻訳ワークフローです。
海外情報のキャッチアップ、オウンドメディアへの翻訳記事掲載、社内資料のローカライズなど、質の高い翻訳が求められる場面で強力な武器となります。
ミラーマスター合同会社では、このような高度なワークフローの導入支援や、特定の専門分野(医療、法律、ITなど)に特化したレビュアー設定のカスタマイズも承っております。翻訳業務の品質向上と効率化をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
【推奨】業務システム化に有効なアイテム
生成AIを学ぶ



システム化のパートナー(ミラーマスター合同会社)



VPSサーバの選定





コメント