AIチャットボットを導入する際、「AIが勝手に嘘をつく(ハルシネーション)のが怖い」「自社のマニュアルや規定に沿って正確に答えてほしい」という悩みはありませんか?
Difyの「Knowledge Retrieval + Chatbot(知識検索 + チャットボット)」テンプレートは、あらかじめ登録したナレッジベース(社内文書やWebサイトのデータ)を検索し、その根拠に基づいてAIが回答を作成する、いわゆるRAG(検索拡張生成)の基本形となるワークフローです。
この記事では、最もシンプルで実用性が高いこの構成について、実際に「相続税119番」などのサービスで活用されている設定を例に解説します。
Knowledge Retrieval + Chatbotとは:根拠のある回答をするAI
このテンプレートは、ユーザーの質問に対して、いきなりAIが答えるのではなく、まず「教科書(ナレッジベース)」を確認してから答える仕組みです。
通常のChatGPTなどは学習済みデータから回答を生成しますが、このテンプレートを使用すると、あなたがアップロードしたPDFや特定のWebサイトの情報を優先的に参照します。
これにより、社内規定、製品マニュアル、専門的な法律知識など、特定のドメインに特化した正確なボットを構築できます。
Difyで構築する機能概要
本テンプレートでは、以下のシンプルな3ステップで回答を生成します。
- 質問受付:ユーザーからの問い合わせを受け取ります。
- 知識検索(Knowledge Retrieval):質問に関連する情報を、登録されたナレッジベースから検索・抽出します。
- 回答生成(LLM):検索で見つかった情報(コンテキスト)を元に、LLMが自然な回答文章を作成します。

【重要】最適化モデルのワークフロー詳細(ノード表)
このテンプレートは構成がシンプルである分、ナレッジベースの質とLLMのプロンプト設定が重要になります。
以下は、実際に動作するモデルのノード構成と設定内容です。
| アイテム名(ノード名) | 処理内容・設定詳細 | |
|---|---|---|
| START (開始) | ワークフローの開始 ユーザーからの質問(sys.query)を受け付けます。 | |
| Knowledge Retrieval (知識検索) | 情報の検索・抽出 ユーザーの質問に関連するテキストを、紐付けられたナレッジベースから検索します。 設定例: ナレッジ:相続税119番(専門知識データ) ※ここで検索された情報が「コンテキスト」変数として次のノードに渡されます。 | |
| LLM (LLM) | 回答の生成(使用AI:Gemini 2.5 Flash) 検索されたコンテキストを「参考資料」として読み込み、ユーザーへの回答を作成します。 推奨プロンプト構成: 「以下のコンテキスト情報のみに基づいて、ユーザーの質問に答えてください。 ### コンテキスト {{#context#}} ### 質問 {{#sys.query#}}」 | |
| Answer (回答) | 最終出力 生成された回答をユーザーに表示します。 | |
Difyでこの構成を構築・有効化する手順
以下の手順で、自社データに基づいたチャットボットを構築できます。
- ナレッジベースの作成:Difyの「ナレッジ」タブで、回答の元となるドキュメント(PDF、テキスト、WebサイトURLなど)をアップロードし、処理を完了させます。
- テンプレート選択:「探索」から「Knowledge Retrieval + Chatbot」を選択し、ワークスペースに追加します。
- ナレッジの紐付け:「Knowledge Retrieval」ノードをクリックし、STEP1で作成したナレッジベースを選択・追加します。
- モデル設定:LLMノードで、高速かつコストパフォーマンスの良いモデル(Gemini 1.5 Flashなど)を選択します。
- 動作確認:プレビューでナレッジに含まれる内容を質問し、正確に回答されるかテストします。
このテンプレートを活用するメリット
「独自の知識」をAIに持たせることができる点が最大の強みです。
- 高精度な回答:一般公開されていない社内情報や、特定の専門知識に基づいた回答が可能です。
- 根拠の提示:「どのドキュメントを参照したか」を引用元として表示させることも可能なため、信頼性が高まります。
- メンテナンスの容易さ:情報が古くなった場合、AIを再学習させる必要はなく、ナレッジベースのドキュメントを差し替えるだけで済みます。
まとめ
Knowledge Retrieval + Chatbotテンプレートは、Difyを使う上で最も基本的でありながら、最もビジネスインパクトの大きい構成です。
社内ヘルプデスク、顧客サポート、マニュアル検索など、あらゆる「問い合わせ業務」の自動化に活用できます。
ミラーマスター合同会社では、このテンプレートをベースにした高精度なナレッジベース構築支援や、回答精度のチューニング代行も承っております。自社専用AIの導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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