Dify(ディファイ)は活発な開発が続いており、頻繁にアップデートが行われています。新機能の追加だけでなく、安定性を高めるためのバグ修正(バグフィックス)も多数実施されています。
この記事では、Difyの運用・保守担当者向けに、最近のバージョン(v1.7系〜v1.11系)で行われた主なバグ修正と機能改善の内容をまとめてご紹介します。
目次
v1.11系の主な変更点
v1.11では、グラフエンジンの強化やWebhook関連の修正、UI/UXの改善が多く行われています。
重要なバグ修正
- チャットの自動スクロール: チャット画面での自動スクロールが停止しない問題を修正しました。
- Webhookノード: 既存のノードをWebhookノードに変更した際に404エラーが発生する不具合を修正しました。
- MySQLデータベース: MySQL使用時にUUID型クエリで発生していた問題を修正しました。
- ファイルアップロード: オプションのファイル入力で空のデフォルト値が正しく処理されない問題を修正しました。
機能改善・その他
- グラフエンジン: ワークフローの一時停止処理を強化し、安定性を向上させました。
- テスト強化: データセットサービス、Webhook、リスト演算子など、多数のコンポーネントにユニットテストを追加し、品質を担保しています。
- UI改善: ダークテーマにおけるアイコン表示やテキスト色の視認性を改善しました。
v1.10系の主な変更点
v1.10では、トリガー機能(スケジュール実行など)の実装に伴う調整や、ワークフロー関連の修正が目立ちます。
重要なバグ修正
- ワークフロー保存: ワークフロー内にトリガーノードのみが存在する場合に保存できない問題を修正しました。
- スケジュールトリガー: 週次頻度設定時の曜日計算ロジックやタイムゾーン処理を修正しました。
- Webhookトリガー: HTTPメソッドの大文字・小文字区別に関する問題を修正し、柔軟性を高めました。
- APIレート制限: レート制限設定で「-1」を無制限として正しく扱うように修正しました。
機能改善・その他
- トリガー機能: スケジュールトリガーやWebhookトリガーのUIを改善し、設定しやすくしました。
- ワークフローログ: ログ一覧にソート機能とステータスフィルターを追加し、デバッグ効率を向上させました。
- エクスポート機能: ワークフローの全画面画像をエクスポートできるようになりました。
v1.9系の主な変更点
v1.9では、パフォーマンスの最適化やデータベース接続周りの安定性向上が図られています。
重要なバグ修正
- データベース接続: チャットフローモードや特定のタスク実行時に発生していたDB接続リーク(解放漏れ)を修正しました。
- プラグイン: プラグインのインストールや自動アップグレードに関する不具合を修正しました。
- ログイン・認証: Webアプリのログイン失敗時のエラーメッセージ表示や、リダイレクトループの問題を修正しました。
機能改善・その他
- APIドキュメント: 一部のAPIモジュールをFlask-RESTXへ移行し、ドキュメント生成と検証を強化しました。
- パフォーマンス: JSONシリアル化に高速なライブラリ(orjson)を採用し、レスポンス速度を向上させました。
v1.8系の主な変更点
v1.8では、ナレッジベース(RAG)関連の機能強化や、外部ツール連携(MCPなど)の改善が行われました。
重要なバグ修正
- ナレッジベース: ベクトルデータベース(Weaviate, Qdrant, Milvusなど)との連携における複数の不具合を修正しました。
- ファイル解析: 特定のファイル形式(docx内の画像など)の解析エラーを修正しました。
- セキュリティ: 権限昇格の脆弱性やXSS(クロスサイトスクリプティング)の脆弱性を修正しました。
機能改善・その他
- MCP(Model Context Protocol): MCPサーバーとの連携機能を強化し、タイムアウト設定や認証周りを改善しました。
- UI/UX: アプリ設定画面やチャット画面のレイアウト、ダークモード対応を改善しました。
まとめ:安定運用のために
Difyは急速に進化していますが、それに伴い細かいバグの修正も日々行われています。運用環境においては、特に「セキュリティ関連の修正」や「データベース接続・リソースリークに関する修正」が含まれるバージョンへのアップデートを推奨します。
アップデートを行う際は、必ずバックアップを取得し、検証環境での動作確認を行ってから本番環境へ適用するようにしましょう。


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