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ディープリサーチ(DeepResearch)【チャットフロー】:DeepSeek×GPT-4o最適化モデル

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複数の情報源から情報を繰り返し検索し、その結果をまとめたり要約したりするのに、うんざりしていませんか?

Difyの「Deep Research(ディープリサーチ)」テンプレートを使用すれば、このプロセスを完全に自動化できます。

この記事では、Difyで用意されたデフォルトをベースに、より高度な推論と正確な検索計画ができるよう最適にカスタマイズ(日本語化)したテンプレートについて解説します。

このテンプレートは、「検索したい内容を入力するだけで、AIが検索を繰り返し実行し、DeepSeekの推論能力を用いて包括的なレポートを作成する」という強力なチャットフローです。

目次

Deep Researchとは:AIによる自律的な深堀り調査

Deep Researchとは、AIがインターネットや外部データベースなど複数の情報源を自動で検索し、その情報を整理・分析する機能です。

単なるキーワード検索にとどまらず、検索結果をもとに「次に何を知る必要があるか」をAIが判断し、段階的に情報を掘り下げていきます。

人間が数時間かけて行う「検索→読み込み→情報の統合→レポート作成」というタスクを、数分から数十分で完了させることが可能です。

Difyで構築するDeep Researchの機能概要

本テンプレートでは、Difyのワークフロー機能を活用し、以下のロジックで調査を実行します。

  • 検索の初期化:GPT-4oを用いて質問を分析し、検索テーマを抽出します。
  • 反復検索(ループ):指定された回数(depth)、Tavily検索エンジンを用いて調査を行います。都度、LLMが「さらなる検索が必要か」を判断します。
  • 分析と要約:deepseek-reasonerモデルを用いて、収集されたすべての検索結果を包括的に分析し、レポートを作成します。
Dify Deep Research ワークフロー図

【重要】最適化モデルのワークフロー詳細(ノード表)

本テンプレートは、各処理に最適なAIモデルを配置し、JSONパース処理や変数管理を厳密に定義したカスタマイズ版です。

以下は、実際に動作する完成版モデルの全ノード構成と設定内容です。

アイテム名(ノード名)処理内容・設定詳細
開始
(開始)
ワークフローのスタート地点 入力情報: ・ユーザーが調査したいテーマ(トピック) ・検索回数の上限 (depth)
配列を作成
(コード実行)
反復回数の定義 main関数で深さ(depth)を受け取り、反復処理用のリストを生成します。 array = list(range(depth)):0からdepth-1までの整数リストを作成。
反復
(イテレーション)
検索ループの実行 指定した回数または条件に応じて検索を繰り返します。 入力変数: ①depth(イテレーション最大回数) ②sys.query(ユーザーの調査テーマ)
 ∟ LLM
  (LLM)
検索計画の立案(使用AI:GPT-4o) ユーザーの質問を分析し、検索キーワードの抽出と継続判断を行います。 出力設定(JSON): { "nextSearchTopic": str | None, "shouldContinue": bool } ※既に検索したトピックの除外や、十分な情報が得られた場合の停止判断(false)を指示。
 ∟ nextSearchTopic を抽出
  (JSON Process)
変数抽出① LLMノードが出力したJSONから nextSearchTopic(次の検索ワード)の値を抽出します。
 ∟ shouldContinue を抽出
  (JSON Process)
変数抽出② LLMノードが出力したJSONから shouldContinue(継続フラグ)の値を抽出します。
 ∟ 変数を割り当て
  (変数代入)
検索トピックの蓄積 抽出した nextSearchTopic をトピック配列に追加(Add)し、検索トピックのリストを更新します。 ※以前の結果を上書きしないよう「追加」モードを使用。
 ∟ IF/ELSE
  (IF/ELSE)
実行判断 shouldContinue のブール値を評価し、検索を実行するかループを終了するかを決定します。
  (IF) Tavily 検索
   (Tavily)
Web検索の実行 LLMが決定した「次のトピック」を使用してTavily APIで検索を実行し、情報を取得します。
   変数を割り当て
   (変数代入)
結果の保存 取得した検索結果(finding)をリストに追加します。
   中間出力形式
   (テンプレート)
進捗表示 現在の検索回数を計算して表示します。 {{ index + 1 }}/{{ depth }}th search executed.
  (ELSE) Empty(空)
     (テンプレート)
スキップ処理 検索を行わない場合の空文字を作成します。
 変数アグリゲータ
 (変数集約器)
結果の統合 ループ内で取得されたすべての検索結果を合成します。
 回答
 (回答)
途中経過の出力 イテレーション(検索フェーズ)が完了した時点での結果を出力します。
推論モデル
(エージェント)
分析とレポート作成(使用AI:DeepSeek) 収集された情報を整理・要約し、包括的な分析レポートを生成します。 プロンプト: 「調査結果に基づき、トピックの包括的な分析を作成してください。重要な洞察、結論、残る不確実性を提示し、Markdown形式で出力してください。」
回答
(回答)
最終出力 DeepSeekによって生成された最終レポートをユーザーに返します。

DifyでDeep Researchを構築・有効化する手順

以下の手順で、このカスタマイズされたDeep Researchテンプレートを自身のワークスペースに展開できます。

  1. テンプレートの選択:Difyダッシュボードの「探索」から「DeepResearch」テンプレートを選択し、「ワークスペースに追加」をクリックします。
  2. アプリの作成:アイコンや名前を設定し、アプリを作成します。
  3. ノード設定の確認:ワークフロー画面で、上記の表に従って各ノードが正しく配置されているか確認します。 特に「LLMノード(GPT-4o)」「推論モデルノード(deepseek-reasoner)」のモデル設定が重要です。
  4. 動作確認(プレビュー):画面右上の「プレビュー」をクリックし、depth(検索回数)とsys.query(テーマ)を入力して実行します。

実際に実行すると、以下のように複数の情報源を参照し、曖昧さを排除した信頼性の高いレポートが出力されます。

このテンプレートを活用するメリット

最大のメリットは、検索の「計画」と「分析」にそれぞれ最適なAIモデルを割り当てている点です。

  • 検索計画(GPT-4o):文脈理解とJSON出力の安定性が高いため、次に何を調べるべきかの舵取りを的確に行います。
  • 分析・執筆(DeepSeek):論理的推論能力に長けているため、大量の検索結果から深い洞察を導き出し、質の高いレポートを作成します。

この組み合わせにより、単一のモデルで行うよりも、精度の高いリサーチ結果を短時間で得ることが可能になります。

まとめ

今回紹介したDeep Researchテンプレートは、Difyの柔軟性を活かし、GPT-4oとDeepSeekという異なる強みを持つモデルを組み合わせた実践的なワークフローです。

市場調査、技術トレンドの把握、競合分析など、深い情報収集が必要な業務において強力な武器となります。

ミラーマスター合同会社では、このような高度にカスタマイズされたDifyテンプレートの構築支援や、業務への導入サポートを行っております。「自社専用にさらにチューニングしたい」といったご要望がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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