「アジャイル開発で仕様が頻繁に変わり、ドキュメント更新が追いつかない」
「営業やCSから同じような仕様確認の質問が来て、PMの時間が削られる」
多くの開発現場でPM(プロダクトマネージャー)を悩ませるこの問題。私たちは、DifyとCursorを活用した社内チャットボットを構築することで、劇的な改善に成功しました。
この記事では、「PMに聞かなくても、誰でも正確な仕様を確認できる環境」を作るための具体的な手順と、実際に運用してわかった効果を公開します。
なぜ仕様書チャットボットが必要だったのか
直面していた課題:情報の属人化
アジャイル開発を優先するあまり、体系的な仕様書が存在せず、情報がPMの頭の中や散らばったメモ、ソースコードの中にしかない状態でした。
- 情報の分散: 「あの機能の仕様は?」という質問に即答できるのがPMだけ。
- 質問対応の負荷: 営業やCSからの問い合わせ対応に追われ、本来の戦略業務に集中できない。
目指した解決策:AIによる自動応答
LLM(大規模言語モデル)の進化により、低コストで高精度なチャットボットが作れるようになりました。
目指したのは、「社内メンバーがSlackで質問すれば、AIが最新の仕様に基づいて即答してくれる」システムです。
システム構成:Dify × Cursor × Notion × Slack
今回は、以下の4つのツールを連携させてシステムを構築しました。
| ツール | 役割 |
|---|---|
| Cursor | 「仕様書の作成」 AIエディタ。コードや既存メモからマークダウン形式の仕様書を効率的に作成・編集する。 |
| Notion | 「情報の保管庫」 Cursorで作った仕様書を蓄積。Difyが参照するデータベースとして機能する。 |
| Dify | 「チャットボットの頭脳」 Notionのデータを読み込み、質問に対して回答を生成するAIエンジン。 |
| Slack | 「ユーザーインターフェース」 社員が日常的に使うチャットツール。ここからBotに質問を投げる。 |
Cursor + Dify + Notion + Slack の連携でchatBotシステムを構築

構築ステップ:4段階の実装フロー
Step 1: Cursorで仕様書を整備する
まずはAIに読み込ませるための「正解データ(仕様書)」を作ります。
ここで活躍するのがAIエディタCursorです。
- テンプレート化:
.cursorrulesなどでフォーマットを統一し、AIに「この形式で仕様をまとめて」と指示。 - マークダウン作成: 箇条書きレベルのメモからでも、Cursorが綺麗なマークダウン文書に整形してくれます。
Step 2: CursorからNotionへ連携(MCP活用)
作成した仕様書をNotionへ転記します。
CursorのMCP(Model Context Protocol)機能を使えば、エディタから直接Notionのページを操作・更新することが可能です。
ポイント:
Notion公式のMCPサーバーを利用することで、Cursor上のドキュメントをスムーズにNotionデータベースへ同期できます。
Step 3: Difyでチャットボットを構築
Difyを使って、Notionのデータを知識(ナレッジ)として持つAIボットを作成します。
- Difyで「ナレッジ」を作成し、Notionと連携(またはNotionからエクスポートしたPDF/Markdownをアップロード)。
- 「チャットボット」アプリを作成し、コンテキストに上記のナレッジを追加。
- プロンプトで「あなたは弊社のプロダクト仕様に詳しいPMです。ナレッジに基づいて回答してください」と指示。
Step 4: Slackと連携して公開
最後に、このボットをSlackから使えるようにします。
GAS(Google Apps Script)を中継役として、SlackのメンションをトリガーにDifyのAPIを叩く仕組みを作ります。
これで、「Slackでメンションを飛ばすと、Notionの仕様書を元にAIが回答する」環境の完成です。
導入効果と今後の展望
PMへの質問が激減!
導入後、営業やCSメンバーからは「PMに気を使わずに何度でも質問できる」「回答が早くて助かる」と好評です。
PMへの直接の問い合わせは目に見えて減り、より重要な業務に集中できる時間が増えました。
これからの改善予定
- 仕様書の自動更新: GitHubのプルリクエストなどを検知して、変更点を自動で仕様書に反映させる仕組みを検討中。
- 顧客向け公開: 精度を高め、ヘルプデスクとして顧客に直接提供することも視野に入れています。
まとめ:AIで社内問い合わせをハックしよう
「仕様書がない」「更新が面倒」という悩みは、AIの力で解決できます。
DifyとCursorを組み合わせれば、専門的な開発スキルがなくても、実用的な社内ナレッジボットを構築可能です。
まずは無料プランの範囲から、スモールスタートで試してみてはいかがでしょうか。
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