DifyでGoogle ToDoにタスク追加！HTTPノード活用術

「Difyで生成したアクションプランを、そのままGoogle ToDoリストに登録したい」
「会議の議事録からタスクを抽出して、自動で自分のリストに追加したい」

Difyには標準でGoogle ToDoリストと連携するブロックはありませんが、「HTTPリクエスト」ノードを使えば、プログラミングコードを書かずにAPI経由でタスクを追加できます。

この記事では、2つのHTTPリクエストノードを組み合わせて、Google Tasks APIを叩く具体的な手順を解説します。

全体の流れ

この連携は以下の2段階で行います。

事前準備：Google CloudでAPIキー（OAuth認証情報）を取得する。
Dify設定：HTTPリクエストノードで認証トークンを取得し、タスクを追加する。

STEP 1：Google Cloudでの事前準備

まずはAPIを利用するための「鍵」を取得します。

1. Google Tasks APIの有効化

Google Cloud Consoleにアクセスし、プロジェクトを作成します。
「APIとサービス」>「ライブラリ」から「Google Tasks API」を検索し、有効化します。

2. OAuth同意画面の設定

「OAuth同意画面」メニューで、User Typeを「外部」に設定し作成します。
「テストユーザー」に、ご自身のGoogleアカウント（Gmailアドレス）を追加します。

3. クライアントIDとシークレットの発行

「認証情報」>「認証情報を作成」>「OAuthクライアントID」を選択します。
アプリケーションの種類：「ウェブアプリケーション」
承認済みのリダイレクトURI： https://developers.google.com/oauthplayground を追加します。
作成後、表示される「クライアントID」と「クライアントシークレット」をメモします。

4. リフレッシュトークンの取得

APIを継続的に利用するために、有効期限のない「リフレッシュトークン」を取得します。

Google OAuth Playgroundにアクセスします。
右上の歯車アイコン⚙️をクリックし、「Use your own OAuth credentials」にチェックを入れ、先ほどのIDとシークレットを入力します。
左側の入力欄に https://www.googleapis.com/auth/tasks と入力し、「Authorize APIs」をクリックします。
Googleアカウント認証後、「Exchange authorization code for tokens」をクリックします。
表示される refresh_token をメモします。これがDifyで使う重要な鍵になります。

STEP 2：Difyワークフローの構築

Difyでワークフローを作成し、2つのHTTPリクエストノードを配置します。

ノード1：アクセストークンの取得 (get_token)

リフレッシュトークンを使って、一時的な利用許可証（アクセストークン）を取得します。

URL： https://oauth2.googleapis.com/token
メソッド： POST
Body (x-www-form-urlencoded)：
- client_id : (あなたのクライアントID)
- client_secret : (あなたのクライアントシークレット)
- refresh_token : (取得したリフレッシュトークン)
- grant_type : refresh_token

ノード2：タスクの追加 (add_task)

取得したトークンを使って、実際にタスクを登録します。

URL： https://tasks.googleapis.com/tasks/v1/lists/{{tasklist_id}}/tasks ※{{tasklist_id}}は環境変数などで指定します。Google ToDoリストのURL末尾にあるIDを使用します。
メソッド： POST
Headers： Authorization : Bearer {{get_token.body.access_token}} ※ノード1の出力結果を参照します。
Body (JSON)：

{ "title": "{{task_title}}", "notes": "Difyから自動追加されました" }

※{{task_title}}は、ユーザーの入力やAIの生成結果などを変数として設定してください。

タスクリストIDの調査方法

Google Tasksの tasklistId（タスクリストID）を調べるには、プログラムを書く前に Google API Exploreで調べます。

PCのブラウザ（Chromeなど）で行ってください。

Google Tasks API リファレンス のページを開きます。
- URL: https://developers.google.com/tasks/reference/rest/v1/tasklists/list
ページ右側にある 「Try this method」 というパネルを探します。
何も入力せずに、下部の [Execute] ボタンをクリックします。
Googleアカウントのログインと許可を求められるので、タスクを使っているアカウントで許可 します。
画面下の枠に結果（JSON）が表示されます。その中の "id" という部分がタスクリストIDです。

表示例:

JSON

{
  "kind": "tasks#tasklists",
  "etag": "...",
  "items": [
    {
      "kind": "tasks#tasklist",
      "id": "ここに長いIDが表示されます",  <--- これです
      "title": "My Tasks",
      "updated": "2023-..."
    }
  ]
}

通常、title が “My Tasks” や “マイタスク” になっているものがデフォルトのリストです。