「お客様から毎日同じ質問をされて、作業の手が止まってしまう…」
「新人のスタッフが毎回先輩に確認しに来て、業務効率が上がらない…」
店舗運営において、こうした「定型的な質問への対応」は大きな負担になりがちです。
今回は、ノーコードAI開発ツール「Coze」を活用して、店舗の後方業務をサポートする「AIアシスタント(おねえさん)」を作成する方法をご紹介します。
Difyなどの類似ツールと比較しながら、なぜ今回はCozeを選んだのか、そして実際にLINE Botとして稼働させるまでの手順をステップバイステップで解説します。
なぜDifyではなく「Coze」なのか?
当サイトでは普段「Dify」の活用法を紹介していますが、今回はあえてByteDance社が提供するノーコードツール「Coze」を採用しました。
その最大の理由は、LINE Botとしての公開設定が圧倒的に簡単だからです。
| ツール | 特徴 | LINE連携 |
|---|---|---|
| Dify | カスタマイズ性が高く、社内システム連携に強い | 設定がやや複雑(Messaging API等) |
| Coze | SNS連携やプラグインが豊富で手軽 | チェックを入れるだけで公開可能 |
「まずは手軽にプロトタイプを作って、現場で試してみたい」というフェーズでは、Cozeのスピード感が非常に役立ちます。
作成するAIアシスタントの概要
今回作成するのは、スーパーマーケットなどの店舗で働くスタッフを助ける「後方業務アシストおねえさん」です。
- 主な機能: 店舗のFAQ(駐車場料金、営業時間など)への回答、天気予報の確認
- 人格: 快活でおしゃべり好きな20代女性(親しみやすさを重視)
- プラットフォーム: LINE(スタッフが使い慣れているため)

CozeでAIボットを作成する手順
1. アカウント作成とボットの新規作成
Coze公式サイトにアクセスし、Googleアカウント等でログインします。
ダッシュボード左側の「Create bot」をクリックし、ボットの名前や説明を入力します。

2. 人格(ペルソナ)とプロンプトの設定
開発画面の左側にある「Persona & Prompt」に、AIの役割や振る舞いを定義します。
今回は以下のようなプロンプトを設定しました。
## Character あなたは快活でおしゃべり好きな20代の女性です。店舗スタッフの業務をサポートします。
Skills
店舗に関する質問(駐車場、営業時間など)に対して、ナレッジベースを参照して回答する。
天気予報プラグインを使用して、最新の天気情報を伝える。
制約
常に明るく親しみやすい口調(「〜だよ!」「〜ですね!」など)で話す。
出力された情報に対して、一言感想や気遣いの言葉を添える。
3. ナレッジ(店舗FAQ)の追加
AIに店舗独自の知識を学習させます。
Googleスプレッドシートなどで作成したFAQリスト(質問と回答のペア)をCozeにアップロードし、「Knowledge」としてボットに紐付けます。

4. プラグイン(天気予報)の追加
Cozeには豊富なプラグインが用意されています。「Yahoo Weather」などの天気予報プラグインを追加することで、商品の発注業務などで重要になる天気の確認もBot内で行えるようになります。
5. LINE Botとして公開
設定が完了したら、右上の「Publish」ボタンをクリックします。
公開先として「LINE」にチェックを入れるだけで、QRコードが表示され、すぐに友達追加して利用開始できます。

導入テストと現場の反応
実際に店舗スタッフに使ってもらったところ、以下のようなフィードバックが得られました。
- ポジティブな意見: 「駐車場料金など、頻繁に聞かれる質問がすぐに確認できて便利」「天気がすぐわかるのが地味に助かる」
- 改善点: 「接客中にスマホを取り出しにくい」「お客様自身が使えるようにした方が良いのでは?」
まとめ:まずは小さく始めて改善する
Cozeを使えば、アイデアを即座に形にして、現場で検証(PoC)することができます。
今回のフィードバックを元に、今後は「お客様用ボット」と「従業員用ボット」を分けるなど、より実用的な運用へとアップデートしていく予定です。
業務効率化の第一歩として、まずは身近な課題を解決するAIボットをCozeで作ってみてはいかがでしょうか。


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