あなたのGmail受信トレイは、実質的な「ToDoリスト」になっていませんか?
「(要レビュー)」「(要返信)」「(あとで対応)」といった件名のメールが溜まり、どれが本当に重要なタスクなのか、いつ対応すべきなのか分からなくなってしまう…。これは、多くのビジネスパーソンが抱える共通の悩みです。
問題は、**タスクが発生する場所(Gmail)**と、**タスクを管理する場所(Notion)**が分断されていることにあります。
この記事では、NotionとGmailを連携させ、メールという「受動的な情報」を、Notionデータベース上の「実行可能なタスク」へと変換し、タスク管理を一元化する方法を具体的に解説します。
1. なぜGmailとNotionを連携させるのか?
目的は、「受信トレイをToDoリストとして使う」という習慣を終わらせることです。
- タスクの「司令塔」をNotionに統一: メール本文を読まないとタスクを思い出せない状態から脱却します。すべてのタスクはNotionのデータベースに集約され、Gmailは単なる「タスクの入口」として機能します。
- 完全な文脈(コンテキスト)の保持: 「このタスク、どういう経緯だっけ?」と思ったとき、Notionのタスクページから元のメールスレッドに1クリックで飛べます。重要なやり取りを見失うことがありません。
- 「受信トレイゼロ」の達成: メールを受信するたびに、「これはタスクか?」「資料か?」「不要か?」を判断します。タスクであれば即座にNotionに転送し、そのメールは自信を持ってアーカイブできます。
2. 連携方法①: Webクリッパーで「手動」転送する (簡単・確実)
最も手軽で、今すぐ始められる方法が、Notion公式のブラウザ拡張機能「Save to Notion」を使う方法です。
- できること: 開いているGmailのメールを、数クリックでNotionの指定したデータベース(タスク管理DBなど)に保存できます。
- できないこと: 全自動化はできません。メール1通ごとに手動でクリック操作が必要です。
設定手順
- 「Save to Notion」のインストール: お使いのブラウザ(Chrome, Firefox, Safariなど)に、公式の拡張機能「Save to Notion」をインストールします。
- Notion側(データベースの準備): メールを保存したいNotionのデータベース(例:「タスクDB」)を用意します。この時、「URL」プロパティを追加しておくと、元のGmailスレッドへのリンクが自動で保存されるため非常に便利です。
- Gmail側(メールを開く): ブラウザでGmailを開き、タスクとして転送したいメールを開きます。
- クリッパーで保存:
- ブラウザのツールバーにあるNotionアイコン(Save to Notion)をクリックします。
- 小さなウィンドウが開くので、「Add to」で保存先のデータベース(例:「タスクDB」)を選択します。
- Notionページのタイトルがメールの件名で自動入力されます。(必要なら編集します)
- メール本文は、ページの中身として自動で保存されます。
- 「Save Page」をクリックします。
これで、メールの件名がタスク名、本文が詳細、そしてURLプロパティに元のメールへのリンクが設定された状態で、Notionにタスクが作成されます。
3. 連携方法②: 自動化ツールで「完全自動」転送する (上級者向け)
「特定の操作(スターを付ける、ラベルを付ける)をしたら、自動でNotionにタスク化したい」—— こうした高度な自動化は、Zapier (ザピアー) や Make (メイク) といった自動化ツール(iPaaS)の出番です。
- できること: 「Aが起きたら、Bを実行する」というワークフロー(自動化ルール)を自由に構築できます。
- できないこと: ありませんが、設定に手間がかかります。また、ツールの無料プランでは実行回数に制限がある場合があります。
セットアップの概念
基本的な考え方は、Googleカレンダー連携(Notion_Google_Calendar_Guide.md参照)やDify連携(Dify_Notion_Integration_Guide.md参照)と同じです。
- ZapierやMakeにアカウント登録します。
- 「Google(Gmail)アカウント」と「Notionアカウント」をそれぞれ連携させます。(※Notionの連携にはNotionインテグレーションの作成とAPIキーが必要です)
- 「トリガー(きっかけ)」と「アクション(実行内容)」を設定します。
【実践】具体的な自動化(一元管理)活用例
活用例①: Gmailで「スター」を付けたら → Notionタスクを自動作成
- トリガー (Trigger): Gmailで「新しいスター付きメール (New Starred Email)」が追加された時。
- アクション (Action): Notionの「タスクDB」に「データベースアイテムを作成 (Create Database Item)」する。
- マッピング(連携):
- メールの
[件名 (Subject)]→ Notionの[タスク名]プロパティへ - メールの
[送信者 (From)]→ Notionの[送信者]プロパティへ - メールの
[スレッドURL (Thread URL)]→ Notionの[URL]プロパティへ - メールの
[本文 (Body)]→ Notionページの[コンテンツ]へ
- メールの
- メリット: 受信トレイを見ながら、タスク化したいメールに
Star(Sキー) を押していくだけで、自動的にNotionにタスクが積み上がっていきます。最も高速なタスク化手法の一つです。
活用例②: Gmailで特定ラベル(例: “To-Notion”)を付けたら → Notionタスクを自動作成
- トリガー (Trigger): Gmailで「ラベル付きの新しいメール (New Labeled Email)」が追加された時。(ラベル:
To-Notionを指定) - アクション (Action): Notionにデータベースアイテムを作成する。
- マッピング(連携): 活用例①と同じ。
- メリット: スターよりも明示的に「これはNotionタスクだ」と分類できます。Gmailのフィルタ機能と組み合わせれば、「特定の上司からのメールは、自動で
To-Notionラベルを付けてタスク化する」といった高度な自動化も可能です。
4. どの方法を選ぶべきか?
- 「まずは手軽に試したい。メールの取捨選択は自分でやりたい」 → 方法①: Webクリッパー「Save to Notion」 が最適です。
- 「受信トレイを高速で処理したい。ルーチンワークを徹底的に自動化したい」 → 方法②: 自動化ツール (Zapier, Make) の導入を検討しましょう。
GmailとNotionの連携は、「Inbox Zero(受信トレイゼロ)」を達成し、Notionを真のタスク司令塔にするための鍵となります。まずは手軽なWebクリッパーから導入し、あなたのタスク管理を劇的に効率化させましょう。


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